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聞く|LISTEN

「話を聴く」人が成果を上げる

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ビジネスコミュニケーションにおいて、「話し上手」よりも「聴き上手」であることの方が重要だと感じるシーンは多々あるだろう。

講演やプレゼンテーションの場合は、もちろん話すことがメインだ。その部分だけを切り取れば「話すことは重要」だと言えるが、実はそこに至る前は「聴く」ことが求められる。

ビジネスにおいて「聴く」ことは超重要なコミュニケーションスキル

人間は基本的に話をしたい欲求が強い。それは誰しも否定することはできないだろう。しかしビジネスにおいて、より重要なのは「聴く」ことだと言われる。なぜそれほど重要なのだろうか。それは「話を聴くことで相手を深く理解できる」からだ。

当たり前だろうか。ただこの当たり前をいったいどこまで実行しているだろうか。

営業パーソンで考えた場合、話す営業と聴く営業では後者の方が成果が出そうだが、実際に日々接する営業パーソンでは前者のほうが多いと感じないだろうか。

なぜ分かっているのにできないのだろうか。

誰しもが「話したい」と思っている

なぜ「聴く」ことが大切だと分かっているにも関わらず「話したい」と思うのか。答えは簡単だ。それは「話したい/話を聴いてほしい」と思っているからだ。これはある意味、自身の「エゴ」のようなもので、エゴを抑えられないとついつい話してしまう。

実は、相手の話を聴くことを邪魔するものは自分自身のエゴの場合が(意外と)多い。

例えばこんな例はどうだろうか。

部下:実は、いまちょっと仕事で悩んでいまして・・

上司:そうか、何を悩んでるんだ?

部下:はい、実はこの仕事、私に向いていないんじゃないかと思うんです。

上司:そんなことはないだろう。自分で選んで入った会社だし、配属も問題なかったはずだし、特に最近までそんなことは言ってなかったじゃないか。

部下:いえ、急に思ったっていう訳じゃないんです。実は半年くらい前からなんか違うのかなあと思っていまして、、、

上司:半年?どうしてその時に言ってくれなかったんだ。でもまだ1年も経ってない。始まったばかりなんだし、とにかくもう少し頑張ってみたらどうだ。

 

こういう会話は完全に一方通行になっているので会話と呼べない。上司の最初の一言「そんなことないだろう」によって、部下の相談したい気持ちは一気に下がる。上司は解決してやろうという気持ちがあるとしても、「自分の望む方向への解決」になってしまう(現に、最後は「もう少し頑張ろう」という話に帰着している)。

これでは、部下が本当に何を思っているかは分からない。

話す職業よりも聴く職業が多いわけ

このように解決思考(=自分の期待する答え)が強すぎたり、また相手をコントロールしようとすると、「聴いているようで聴いていない」という状態になる。

たしかに、人前で講演やセミナーを開く人は話すのが仕事だが、それはその後にバックエンドの商品やサービスを購入してもらいたいという狙いがあるからだ。話す職業には、その後ろに必ず何かが存在しているのが当たり前だ。それはビジネスとして何の問題もない。

ところが、「聴く職業」には非常に多くの種類がある。産業カウンセラー、心理カウンセラー、臨床心理士のようないわゆる心を扱う分野や、ソーシャルワーカー、カスタマーサポート、キャリアアドバイザーなど、一般のビジネス領域にも多く存在している。

なぜこれほど多岐に渡るのかと言えば、どんな職業であっても「聴く」ことが重要であるにもかかわらず、マスターするのはなかなか難しいからだ。

つまり、「聴く」という行為はきちんとトレーニングし、時には資格を取得をしてはじめて行うことができるものだと言える。

いわゆるカウンセラーが患者の話を聴くことからスタートするのは至極当然なのだ。

※ちなみに、話す職業は一方的に話しているように見えるが、実は聴衆の反応を見ながら話し方を変えたりするし、テーマ自体も変えることもある。つまり講演を行うまでに十分に「聴く」という行為を行っているのだ。

相手の話を聴くための原動力は「好奇心」

では「聴く」ためにはどうすればいいのだろうか。特にビジネスにおいて聴くことが求められる場合、何から始めればいいのだろうか。

その答えの一つは、「好奇心」であり「相手への興味」である。

話題になった “Listen-「聞くこと」は最高の知性” という本をご存知だろうか。ここでも同様のことが述べられている。

”聴くことのゴールは理解です。聴くことには努力が必要です。”

“聞くという行為には、何よりも好奇心が必要です。”

“ユタ大学の研究者らが行った調査では、「しっかり聞いてくれない人が相手だと、話そうとしている内容を思い出しにくくなり、伝える情報も不明瞭になる」ことが明らかになりました。反対に熱心な聞き手は、何も質問をしなくても、話してからより多くの情報や関連した話、詳細を引き出すことができました。”

“「聴く」とは関心を持つことであり、その結果、興味深い会話が生まれます。”

あなたの持つ相手への好奇心や興味関心が、相手の心を開き、フラットに受け止めることできれば、ビジネスにおいても自然と打ち解けることができるだろう。

「口は一つ、耳は二つ」を意識したコミュニケーションをとる

これまで「聴く」ことの大切を述べてきた。「口は一つ、耳は二つ」という言葉にあるように「話をする倍以上に、話を聴きなさい」と言っている。それほど「聴く」ことは需要なのだ。

このように、ビジネスの現場であっても「良い聴き手」となることは非常に重要であることが分かるだろう。

クライアントとの会話、上司、部下、同僚との会話、パートナー業者との会話、どれもすべて同じだろう。相手へ尊敬を持ち、できるだけフラットな気持ちで話を聴く。その態度は相手にも伝わるし、相手に安心して話してもらうことができれば自分たちも役に立てることが出てくるはずだ。あなたのビジネスで成果を上げるための土台は出来上がるだろう。

まとめ

いかがだろうか。傾聴やアクティブリスニングというフレーズに踊らされるのではなく、相手のことを心から考えることができれば、自然とスムーズなコミュニケーションをとることができるだろう。

最後に聴くための手順を記載しておくので参考にしてほしい。

  1. 自分が話したいというエゴをコントロールする(内なる声のコントロール)
  2. 相手に好奇心や興味関心を持つ
  3. 相手の話を先入観なしに聴く(決めつけない)
  4. 相手の本当のニーズや課題を知ることができる
  5. 本当のニーズや課題に対しての解決や提案をすることができる